以前からやってみたいと思っていたゲームタイトルですが、なかなか肝心のゲーム機が手にはいらず、残念な思いをしていました。その後、運良く手にしたハードとともに選んだゲームが今回紹介する作品です。
国内はもとより海外ではさらに評価が高く、数々のゲーム賞を総なめにした超大作、「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」。今更、遅ればせながらレビューします。
ゼルダの伝説シリーズ
任天堂の代表作で30年以上の歴史をもち、日本国内はもとより海外でも評価の高いゲーム、「ゼルダの伝説」。初代ゼルダの伝説以来、他の追従を許さぬその個性的なゲーム性は、この最新作ブレス オブ ザ ワイルドでもしっかりと受け継がれています。
ゼルダシリーズの中でも特に人気があるのが、Nintendo64でリリースされた「ゼルダの伝説 時のオカリナ」。シリーズ初の3D作品になった名作で、みなさんもよくご存でしょう。
その3Dゼルダの流れをくむこの「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」。2017年の発売以来、国内及び海外にて約2500万本(2021年まで)を売るビッグヒットになりました。
オープンワールドで表現されたハイラルの世界
本作はオープンワールドのシステムにで作られ、とても自由度の高いゲームになっています。ニンテンドー64の時のオカリナなども自由度の高いゲームでしたが、本作ではSwitchというハードの高性能化もあり、信じられないほど広いフィールドをどこまでも歩いて(飛んで)いけるようになりました。
その高すぎる自由度ゆえ、道に迷ったり目的を忘れてしまったりしまいがちですが、このゼルダでは親切にシステムやシナリオが助けてくれ、スムースにゲームを進行できます。
むしろ本来の目的を忘れ、寄り道に夢中になってしまうことも多々あるほど、奥深くやりごたえのある大作がこのブレス オブ ザ ワイルドです。
広大なフィールドを見渡すのは、ゲームの中とはいえとても気持ちいい。しかも、遠くに見える山や塔などは、実際にその場に行けてしまう。
木や森、川や山などはもちろん、煙や霧なども重ねられて、自然の描き方は非常にリアル。
豪華かつ緻密で非常に作り込まれ、とてもきれいな建造物。
小説や映画を超えたストーリー
ゼルダの伝説のストーリーは、さらわれたゼルダ姫をリンクが救うシナリオが定番です。今作でもその流れはほぼ同じで、一度は破れたリンクが、再び悪を討つため、ゼルダ姫と共に戦います。
ゲームのスタートは、リンクが100年の眠りから覚めたところから。記憶を失ったリンクは、ここがどこなのか、自分が何者なのかさえわからない。
物語の鍵となる「シーカーストーン」。現代でいうスマホのようなもので、地図になったり鍵になったりと様々に活用する重要なアイテムです。リンクの成長(=プレーヤーの成長)とともにこのアイテムも成長していきます。
過去を取り戻しつつ、今を生きる主人公リンク。他のキャラクターとの関係もしっかりと描かれ、まるで映画のような物語に惹き込まれます。
多彩なアクションとグラフィック、すぐれた操作感でリンクになりきる
世界が広いだけでなく、プレイヤーが操るリンクのアクションも多彩で、よく動きます。コントローラーのボタン類はフルに使いますが、ストーリーの進行と共に段階的に増やされるため、自然とリンクの操作は覚えていきます。
走ることはもちろん、崖を登ったり、水の中を泳いだり。広大なフィールドを隅々まで行き来き可能なのは、これらの多彩なアクションゆえ。まるで自分自身がこの世界を冒険しているかのように感じます。
このゲームをプレイする際におすすめしたいのが、任天堂純正のNintendo Switch Proコントローラー。本体付属のJoyConよりもさらに快適にブレス オブ ザ ワイルドをプレイできます。
おしゃれなリンクが楽しめる
装備する服や鎧によって、ちゃんとグラフィックも変わります。頭にかぶる物や、ベルトのバックルなどの小物もしっかりと描かれていて、細部までのこだわりが伝わります。ハイラルの勇者は何を着ても似合う。
バトルとパズルが融合した伝統のARPG
ゼルダシリーズがARPG(アクション・ロール・プレイング・ゲーム)のひときわ人気があるのは、単なるアクション主体ではなく、パズルの要素をたくさん含んだゲームだからです。
このブレス オブ ザ ワイルドではさらにそのバトルとパズルの部分に磨きがかけられ、新たなゼルダを楽しませてくれます。
モンスターとのバトルは、手持ちの武器を使い、走ったりジャンプしたりのアクションとともにおこないます。無事に倒すことができれば、アイテムを入手できるかも。
この世界のいたる所にある祠。この下にはダンジョンがあり、ゼルダではおなじみのパズル
様々なトリックが仕掛けられたダンジョンは、「こんなの無理だよ」と言いつつも、チャレンジし続ければいつしかクリアできるもの。あきらめずに頭をひねって考えてみましょう。
採って、料理して、食べる
このゲームでは、戦いの中で傷つき減ったHP(ヒットポイント)を、食べ物で回復します。
その食べ物は、まず食材を野山や川や海で採り、それを火のあるところで料理します。食材は木になるリンゴや野に咲く草花、そこらへんを歩いている動物や飛んでいる鳥などさまざま。それらを組み合わせていろいろなレシピを探すこともゲームのたのしみのひとつです。
集めた素材はそのまま食べてもあまりHPが回復しません。それなら……
料理しちゃいましょう。素材の組み合わせしだいでは、より多くのHPが回復できます。
近づいて、跨って、駆る
広大フィールドを歩いて(走って)は、時間がかかってとてもゲームを進行することはできません。要所々々の移動は馬に乗って行います。
馬の群れを発見したら、そのうちの一頭を選び、しゃがんでそーっと近づきます。
一気に跨ったら、ロデオのように乗りこなし馬をなだめます。
ご覧のとおり。愛馬の誕生です。
馬に乗って走るハイラルの大地は、爽快でとても美しく、ただぼーっ馬の上から景色を眺めているだけでもこのゲームに満足してしまうほどです。
あそび心満載で自由な世界
歴代ゼルダシリーズでもその自由度の高さには定評がありました。もちろんこのブレス オブ ザ ワイルドでもそれは継承され、さらに自由に面白くなりました。
村の中で出会うニワトリ。自由度の高さがウリのこのゲーム。さっそく斬ってみましょう。
どこからともなく無数のトリ仲間が現れ襲われます(ゼルダのお約束)。
ふたつの岩の間から下をのぞくと、ボコブリンが二匹。なるほど、このシチュエーションですね。了解。
ズドーン!見事に当たってくれました。
モンスターのアジトを発見。望遠鏡をつかってのぞくと、いい具合に爆弾樽が見えます。
こういう時に役立つ便利なアイテムがあったはず。狙いを定めて、
ズドーン!めでたしめでたし。
いざ、ハイラルへ!
このゲーム、スタートからほんの少しプレイしただけでわかるとおり、とても先が長い。ストーリー本編のクリアには50時間から掛かるとも言われています。しかし、その50時間が全く苦痛に感じず、むしろ時間を忘れ没頭してしまうのは、ひとえにゲームの完成度が非常に高いからでしょう。
開発スタッフの「ゼルダのアタリマエを見直す」の中には、この長いゲームをいかに挫折させずにクリアまで繋げるかも入っていたでしょう。
ベテラン(1000時間オーバーのゲーマー)はもとより、オープンワールドゲームが初心者の方でも安心して長く遊べる、とても楽しいゲームです。
ぜひプレイしてください。
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